OLの週末野望日記

週末が楽しみでしょうがないOLのライフログ

思い出の共有

父の初盆の法要を終えた。

コロナ禍ということもあって、特に近い父方の親戚がマスク着用で出席してくれた。


法要のあとのひととき。

父は紳士服のオーダーをしていたこともあって、形見分けに出席してくれたひとに少しでももらってもらった。冬物はウールやカシミヤ、夏物なら麻なんかのジャケットやパンツ。サイズが近い人がジャケットに袖を通してみて、ちょっとしたファッションショーが始まった。

一点ずつ見ていると、仕立てがしっかりしていてさすがだと思った。生地もいいものだし、すごくオシャレ。自分で仕立てたものを普段から着ていたから、改めて贅沢だよなあと不意に思いながら。

もの静かでみんなが賑やかにしているのを微笑んで見ているような父だったから、初盆で自宅に少し賑わいがあったのを喜んだだろうな。

 

この歳で親を亡くすのは、まだ早い。

残念だし、そりゃ悔やまれることもある。

でもそれが父の人生でそれを全うしたんだと考えるしかやりきれない。

こればかりは経験しないとわからないということがたくさんある。あたたかく心にふれることもあって、感謝が深くなる。自分はどう生きるか、そう考える出来事でもある。

親を亡くすという悲しみは時とともに褪せるというものではない。悲しみもありがたさもないまぜになって、何度も何度もふとしたときに思い出すものだ。それをつらく悲しいこととは思わないけど。