OLの週末野望日記

週末が楽しみでしょうがないOLのライフログ

ルーツ

会社の近所にベトナム料理屋さんがオープンした。個人経営の小さなお店で、小学生の息子さんがいるらしい。飲食ではないけど、私は商売人かつ職人の娘だから、彼と同じように親が働く後ろ姿を見てきた。


いろいろ親に話を聞かせたい男の子。だって目の前に親がいるんだもん。小学校であったことを聞いてほしいし、ゲームのレア画面を見てほしい。でも仕事をする大人には構ってもらえない。
目の前にいる大人は姿こそ親であっても、社会人であって、いつもの親ではない。違う顔であることの区別はまだ彼にはつかないだろう。


私もはじめはそうだったんだろうと思う。だけど長女だし、いつからか早いうちにそのことに気づいた筈だ。
家で会う人はお客さん。だから、会ったらにっこりして、こんにちはと元気に挨拶する。
教えられた覚えはないけど、そういうものだった。私の笑顔と元気と愛想の良さの土壌はここにあった。


さて、料理はフォーも生春巻もおいしかった。
食べることが好きな私は、おいしいものを求めて外食することもしばしば。
だけど今日は普段なら表に出てこない子どもの姿を見たのがすごく響いた。目の前に出て来ないから、気付かずにいた存在。思いがけない自分のルーツにドキッとさせられた。