オリンピック2020東京大会は2021年、1年遅れで今日開会式を迎えた。
開会式は東日本大震災からの復興に加え、SDGsやコロナに立ち向かう医療従事者への謝意を色濃く反映したものとなった。
所謂日本の代名詞となるような古典芸能や衣装はあまり見られず、代わりに新しい演出が楽しませてくれた。
まずオリンピックエンブレムや地球が立体的に夜空に浮かぶ光の演出。CGかと思えば、これが1,824台ものドローンによって描かれ、アーティスティックで美しかった。
続く選手入場でドラゴンクエストのテーマが流れたとき、ちょっと感激した。ゲーム音楽を使うなんてなかなかオシャレじゃないか。選手が勇者のようで何とも勇ましい。
後半、ピクトグラムの演出もおもしろかった。グラフィックで作りこむのではなく、生身の人間が作っていると分かっているからおもしろい。上下を逆転して見せたり、何かに見立てたり、かくし芸のように工夫して見せるのは日本人らしい。たたみかけるように次々と見せるので、おもしろさが増幅する。
生真面目なかたさではなく、柔軟な可笑しさに文化的な成熟が見られたように感じた。
私は総じておもしろい演出だったと思う。